「過去」も「未来」もない   written by 池上秀志

「過去」も「未来」もない   written by 池上秀志

過去」も「未来」もない    

written by 池上秀志

シリーズです

  1. 自信が先か、結果が先か
  2. 自信はどこからくるのか
  3. 「過去」も「未来」もない

 

の続きです。

ここまで書いてもまだ、「我々は空想世界に生きているのではない。そんな頭の中の空想物よりも、過去の実在した実績の方が自信に繋がる」と思っている人のために、「過去」と呼ばれるものは実は存在しないということを説明しましょう。あなたはあなたが過去に経験した様々な出来事に対して、「いや確かにそれらは実在したのであり、今はっきりと思い出すことが出来る」と思っているかもしれませんが、それらは全てあなたが「現在」想起しているものです。

世界は5分前に誕生した?

今のところ発見されていませんが、今後脳科学の研究が進み、記憶物質なるものが発見されたとしても、その記憶物質はやはり「現在」あなたの脳の中にあるのです。原子爆弾の写真もアウシュビッツの写真もその当時の記録もやはり「現在」存在するのです。過去の出来事を検証するために複数の人間に聞き取り調査を行い、その内容がすべて一致したとしても、やはりそれは対象者の「現在」想起しているものが一致しているのです。そしてその「現在」過去について想起しているものがことごとく食い違っていることもあり得ますし、全員の証言が一致していたとしてもそれが間違っている可能性もあります。通常「過去」と呼ばれているものは、あらゆる意味で「現在」であり、それをショッキングな形で言い表したのがバートラント・ラッセルの「世界5分前説」です。これは世界は5分前に誕生したのだとしても、何の不都合も生じないという説ですが、私もそう思います。何故なら、「過去」と呼ばれるものは現在にしか存在しないからです。もっと言えば、0,1秒前に過去の記録や記憶とともに、世界が誕生していたとしても一向に不都合は生じません。


同様に、未来もありません。あなたが「未来」だと思っていることは「未来」ではなく、やはりあなたが「現在」考えていることです。

未来はどこにも存在しない

中村天風という人は戦争中、棒に結び付けられ、構え筒の状態で見方が手榴弾を投げ込んで、命拾いしたという経験をしていますし、作家のドストエフスキーも死刑判決を受け、銃口が向けられた時に許しが出たという経験をしています。その時、彼らが5分前まで「自分の死」という「未来」を思い描いていたとしても、結局のところそれは「未来」ではなく、その時彼らが「現在」思い描いていたものだったのです。

それに、まだ現在していないけれど、「未来」はどこかに保存されていて、それがやってくるのだとすれば、それはどこに保存されており、どこからやってくるのでしょうか?既にどこかに実在しており、それが「現在」に影響を及ぼすのだとすれば、「現在」に影響を及ぼすものはやはり「現在」だと言えましょう。これもあらゆる意味において「未来」はどこにもないのです。

要するに、潜在意識にとっては自分がより強い現実感を感じているものが実在なのです。あなたが過去の出来事によって形成されたのと同様に、未来に達成されるはずのものからもまたあなたは形成され得るのです。しかしながら、「過去」と呼ばれているものは変えられませんし、先述したように「過去」に基づいた自信は、「過去」に縛られるがゆえにもろいのです。

自信が潜在意識を書き換える

私が、目標を現在形に書き換え、もう既に目標を達成したかのようにふるまってくださいというのは、潜在意識にとっては「過去」と呼ばれるものであっても、「未来」と呼ばれているものであっても、より強い現実感を感じるものが実在となるからです。そして人間は潜在意識によって、動いているのです。この世界は自然法則に従って動いているので、潜在意識の通りに全て事が運ぶとは限りませんが、過去の精神的トラウマによって、病気になったり、緊張で手が震えたりするのと同じように、潜在意識もまたこの現実世界に影響を及ぼすのです。

そして自分の望むように、潜在意識を書き換えるのが、自信であり自己肯定感であり、それらは過去に基づくものではなく、目標への思いの強さ、実感の強さから来るのですという話でした。

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