抗炎症 written by 池上秀志

抗炎症 written by 池上秀志

抗炎症

前回は「抗酸化」について書きました。抗酸化も抗炎症の中の一つなのですが、今回はそれとは別に抗炎症というものに焦点をあてて書いていきたいと思います。

RICE療法

RICE療法またはRICE処置と呼ばれるこの手法は、Rest=安静、Ice=冷やす、Compression=圧迫、Elavation=挙上の4つの頭文字を意味します。急性の炎症が起きた時にはまずはこの4つによって患部に急激に血液が集まるのを抑えてください。炎症は治癒過程の一つと言っても、痛み等の負の側面も大きいので急激な炎症は抑える必要があります。

非ステロイド系抗炎症剤

非ステロイド系の抗炎症剤には、ロキソプロフェン(商品名ロキソニン)、イブプロフェン(商品名イブクイック等)、ジクロフェナク、アセトアミノフェン、アセチルサリチル酸(アスピリン)等が有名です。これら非ステロイド系抗炎症剤は即効性があり、炎症を素早く抑えてくれるのですが、副作用も多くあります。最も起こりやすいのは消化器系への副作用で胃や腸の粘膜を傷つけ出血の原因となります。便が黒くなることがありますがこれは血が混じっているからです。2008年の北京オリンピックでは金メダル候補筆頭の英国淑女ポーラ・ラドクリフ選手が途中棄権したのを覚えておられる方も多いかと思います。彼女は故障を抱えたままスタート地点に立ちましたが、棄権した直接の原因は抗炎症剤の副作用による腹痛でした。短期の服用の場合、副作用はあまり見られませんが、2週間以上の連続した服用、もしくは1か月に10日以上の長期の服用を続けると副作用も起こりやすくなります。消化器系以外への副作用に関しては以下のようなものがあります:血液性状の変化、抜け毛、じんましん、呼吸循環器系のショック、肝臓の損傷、疲労感。

ステロイド

ステロイドは非ステロイド系抗炎症剤よりも強力に作用しますが、副作用もまたより大きいと言われています。どの部位にどの種類のステロイドをどれだけ投与するかで変わりますが、強力な抗炎症作用を持つ一方で、筋肉、靱帯、腱などを傷つける可能性もあります。一般的に、筋肉は腱や靱帯と比べて副作用の影響を受けにくいとされています。

またこの副作用に関しては反論もあり、「ステロイド注射の後の靱帯や腱の損傷及び症状の再発はステロイド注射の影響ではなく、痛みが消えた結果、急に酷使するからである」とする意見もあります。筆者はどちらかが正しいというよりはどちらのケースもあると思いますし、また一度痛める箇所は構造的な欠陥を抱えていることが多くステロイド注射に関係なくそもそも再発の可能性が他の箇所に比べて高いと考えています。

ステロイドの副作用は他にも様々なものがあり、以下のようなものがあります:目の疾病、鬱、糖尿病、免疫低下、体重の増加、湿疹、筋肉の萎縮、骨粗鬆症、不眠、靱帯の弾力性の低下。また長期の使用で軟骨が減少するので関節炎の治療に使う際には治すために使ったステロイドで軟骨が損傷するというパラドックスに陥ってしまいます。

さて、今回は副作用もあるけど高い効果と即効性がある非ステロイド系抗炎症剤とステロイドについて紹介しました。次回は副作用がない、若しくはほとんどない自然の抗炎症剤について紹介していきたいと思います。

 

 

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